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北国の古い建物では玄関が二重の造りになっていることも多かったものですが、現在の寒冷地の住宅では今やすっかり玄関フードがおなじみになりました。
風除室とも呼ばれるこの玄関フードは、玄関の手前にまるで温室のような空間が備え付けられています。
そのメリット・デメリットを紹介します。
玄関フードのメリットと言えば、風除室の名称通り、風や雨雪を避けられることです。
風の強い日、ましてや雨や雪が降っていれば、玄関を開けた途端にそれらが室内へと入ってきます。
衣服や靴についた水や雪も玄関の中に持ち込まれるため、玄関が汚れてしまうでしょう。雨や雪の日が何日も続けば、何度綺麗にしたところで無駄になってしまいます。
しかし、玄関フードで雨や雪を払ってから家の中に入れば、玄関の汚れは少なめで済むことがほとんどです。
玄関フードはこれまで、その多くが北国の住宅で採用されてきました。しかし、近年、玄関フードがまた別の問題によって注目されています。
それが、花粉対策です。花粉症は、衣類や髪に付着した花粉によっても反応します。そこで、それらを玄関フードで払ってから家に入ったり、外気が直接家に入らないようにすることで花粉対策になります。
玄関を開けると、室内には外気が直接入ってきます。冷暖房をつけていると、せっかく一定に保っていた室温が変わってしまい、光熱費にも影響することがあります。
また、断熱性の高い玄関ドアもありますが、重量があるために子供や高齢の方は開け閉めが大変なことも。
玄関フードであれば、室温は変化しにくく、しかも重いドアを取り付けずに済みます。
玄関フードは、家の中の気温こそ一定に保ってくれますが、温室と形状が似ているだけに、そのものは熱がこもりやすい造りをしています。窓があるタイプなどを採用し、夏の間は開けっ放しにするなど、気温の調整に気をつける必要があります。
玄関ドアの前に設置される玄関フードにもやはりドアがついています。そのため、家の中に入る際には玄関フードのドアを開け、次に玄関のドアを開けるという手間が増えてしまいます。
玄関フードの種類はI型・L型・C型と主に分かれています。
では、このアルファベットが何を表すかと言えば、それは玄関フードの壁面の数と形状です。
I型は壁が1面、L型は直角に配置した壁が2面、C型は「コ型」とも呼ばれ、壁が3面必要となります。
両側が壁に挟まれており、玄関が奥まっている場合に設置される玄関フードです。外観から見ると、一見外壁とフラットなドアに見えますが、開けるとそこは玄関フードで、実際の玄関ドアはさらに奥にあります。玄関フードを設置する手間が比較的にかからないため、費用も抑えやすいタイプです。
外付けのI型タイプは、外壁からわずかに出っ張るようにして玄関フードが取り付けられます。こうすることで、玄関が狭くてもI型の玄関フードを取り付けられます。
玄関フードを取り付ける部分は外付けではないI型よりも多く、費用も増えます。
家の角を削るような形状で玄関がしつらえられている場合は、2面の壁面を直角に合わせた玄関フードを設置します。
玄関の手間に「コの字」型の玄関フードを設置するタイプです。施工箇所が多い分、費用も高めです。